糖尿病に関するワンポイント

激増する糖尿病患者さん

糖尿病は必ずしも肥満の人や糖分を取りすぎる人だけがかかる病気ではありません。日本における糖尿病患者さんは980万人、糖尿病が強く疑われる患者さんは1,320万人いると推定されています。このように糖尿病予備軍の人を含めると2,300万人以上に達します。これは成人の4人に1人の割合になります。日本や欧米だけでなく今では発展途上国でも糖尿病の患者さんは増え続けており、世界中で糖尿病の合併症で死亡する人は10秒に1人、糖尿病壊疽で足を切断する人は30秒に1人と言われています。

糖尿病イラスト

困ったことに糖尿病は初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。しかし放置しておくと確実に症状は進んでいき、いろいろな合併症を引き起こします。自覚症状がでたときにはかなり進行していますので初期の段階で発見して、早期に治療を開始する必要があります。早期に発見して早期に治療を開始し、健康な人と同じ位の血糖値に近づけてやることができれば、そんなに怖い病気ではありません。健康な人と同じ位の健康寿命が得られます。それには何より早期発見早期治療が必要です。

糖尿病の合併症には細小血管の障害によって起こる網膜症・腎症・神経障害や、動脈硬化とそれに起因する高血圧・狭心症や心筋梗塞・脳梗塞・足の壊疽などがあります。

成人の失明原因の第1位が糖尿病性網膜症です。糖尿病発症から30年で腎不全になり、 透析をしなくてはならなくなります。また糖尿病患者さんのなかには癌になる人が非常に多いと報告されています。免疫力・抵抗力が低下しているのでいろいろな感染症にもかかりやすくなります。

糖尿病や慢性腎臓病(CKD)は早期発見、早期治療に心がけましょう。